キャリアカウンセリングをめぐる冒険その5「カウンセリングとキャリアカウンセリングの違い」

今日は洗い物の量が多かったので、少ししか時間がありませんがキャリアカウンセリングについて簡単に書いてみたいと思います。なので導入は短めです。さっそく私の心のままに書きます。

カウンセリングとキャリアカウンセリングの違い

カウンセリングとキャリアカウンセリングの違いとはなんでしょうか。仕事や職業、就転職の話をするのがキャリアカウンセリング?過去のトラウマや現在の問題行動の緩和消失を目指すのがカウンセリング?

ラリー・コクランは『ナラティブ・キャリアカウンセリング』の中で次のように述べています。

「人の未来を描くことがキャリアカウンセリングの基本的使命である」

未来をデザインする支援とその未来のデザインの中に人生を投影できるような支援が、キャリアカウンセリングの持つ最も基本的で重要な使命であると私も考えています。

カウンセリングが扱うものは主に過去や現在です。現在に留まり、「今、ここ」に集中するのがカウンセリングの主流でしょう。しかし、キャリアカウンセリングはそこを大切にしつつも、点と点をつなぐように過去→現在→未来をつなぐ支援が求められているように感じます。

「現在(だけ)ではなく、未来を扱う。」これがキャリアカウンセリングの特質性と言えるのではないでしょうか。

大切なのは点と点をつなぐことです。分断されたアイデンティティーを自然で大きなナラティブの中に包み、統合していく。そうなったら良いなというのが、私の今のキャリアカウンセリングの基本的な考え方になります。

点と点

今日は時間もあまりないので、最後に点と点について少しだけ、書いてみたいと思います。

点というのは馴染みのある言葉でいえば、経験、体験、出来事、過去、あるいはマイクロ・ナラティブと表現できると思います。私たちはそうした無数の点をキャリアカウンセリングという場の中で集めていきます。

そうした点が今、現在のクライエントにとってはどのような繋がり、ストーリーになっているのかを共に理解していきます。「このままでいいのかなって…」という未来の表明が見えた時には、「このままだと、どうなるんでしょうか。」と尋ねることで、現在の支配的な(ドミナント)ストーリーを理解していきます。

そうして集めた点と、点の繋がりを注意深く観察し、クライエントが見落としている、無視している、可能性を見つめ、クライエントに語り直してもらいます。その時、未来についての新たなナラティブが生まれることもあります。

点の集め方にはさまざまな手法があります。経験やナラティブだけでなく、身体言語や感覚を使うこともあります。

点と点をつなぐ瞬間はとても想像的な瞬間です。ここの想像力にこそ、キャリアカウンセラーのすべてがあると言っても良いかもしれません。私たちは何せず聴くと同時に、常に想像力の海にいるのです。

おっと時間になってしまいました。点をつなぐことについては、また改めて書きたい感覚があります。今日はここまで。(所要時間26分)