自己効力感ってなんですか?正しく答えられますか?

自己効力感とは?

ども、キャリアグリーンの杉山です。
キャリアコンサルタントの資格を取ってからというもの、やたらめったら見聞きするようになった言葉があります。

そう、それが「自己効力感」というワード。

イベントや講座をしていても、受験生のロープレで口頭試問をしていても、さらにはTwitterをぼーっと眺めていても、ふとした瞬間にこのワードが目に入ってきます。

ただこの自己効力感という言葉が使われるとき、しばしば「それって自己肯定感(自尊心)とごっちゃになってない?」と思うことがあったので、今日は正しい自己効力感について一緒に学んでいきたいと思います。

自己効力感ってなあに?

そもそもキャリアコンサルタントの養成講座で習う自己効力感というのは、バンデューラの社会的学習理論のキーワードでしたよね。(まさか忘れてない?)

バンデューラさんは「人がある行動を遂行(ひらたく言うと達成)しようとする時、それに向かって努力できるかどうかには大切な要因が2つあるよ!」と言いました。

それが効力予期結果予期です。

効力予期とは、ある結果を生み出すために必要な行動を、自分自身がうまく行うことが出来るという確信のこと。

結果予期とは、ある行動がある結果を生み出すという推測のこと。

つまり、人がある行動を遂行するためには「自分にできそうか(効力予期)」と「その結果は魅力的か(結果予期)」の2つが大事だよーと言ってるわけですね。

例えば、私が「イケメン俳優になりたいなぁ」と思ったとします。(唐突)

「イケメン俳優になったら、きっと美人女優と結婚して双子の子どもを授かれるかもなぁ」と、これが結果予期ですね。

この結果は私にとって魅力的なのですが、私はそれだけでイケメン俳優になる努力をできるでしょうか?

それからすぐ、私は鏡の前で自分の姿を見て思うのです。「あぁ、私にはイケメン俳優は無理だわ。できんわ。」これが効力予期です(涙)

なので結果として、私は「イケメン俳優になる」という行動を遂行できないというわけですね。うん。バンデューラさんは正しい!(血涙)

で、ここからが大切。

バンデューラさんは、この2つの予期のうち、効力予期のほうを「めっちゃ大切じゃない?」と考え、効力予期をどの程度持っているかの認知のことを「自己効力感」と呼んだわけです。

自己効力感≠自己肯定感

自己効力感は自尊心じゃないよ

もう理解して頂いたと思いますが、自己効力感という言葉が「自尊心」や「自己肯定感」みたいな使われ方をしているのは、正確ではありません。

自己効力感というのは、あくまで自分がある目標を達成できるかという確信なので、自分自身をいくら卑下していたとしても、「それはできる」と確信していれば自己効力感は高いと言えるのです。

ただ現実的には、自尊心が高いほうが難題に取り組む力は強くなりますので、自己効力感と自尊心は全くの無関係ではないんですけどね。

人が努力するのに必要な2つの予期

私はバンデューラさんの言った「効力予期」と「結果予期」という考えは、クライエントを支援する際に、とても役立つ理論だと思っています。

「とにかく努力しましょう」とか「とりあえずやってみましょう」では、人ってなかなか動くことができないんですよね。

だからこそ、クライエントに行動を促す際には「それはクライエントができそうなことか」「その行動の結果はクライエントにとって魅力的か」という2つのことをセットで確認する必要があるわけです。

そして、クライエントに「この行動なら自分にもできそうだな」という効力予期を持ってもらうためには「達成経験、モデリング、情動喚起、言語的説得」なんかが大切だよー。というのは習いましたよね。(ま、まさか忘れてない?)

ということで、今回は自己効力感について書いてみました!感想などありましたら、Twitter(@careergreen1)までよろしくお願いします〜!ではまた!