不安を抱えるCLへの最初のアプローチについて

お久しぶりです。キャリアグリーンのすぎやまです。
いくつかの転機を乗り越えて、またここに帰ってくることができました。

しばらくは動画配信などはできない気がしているので、こうしてブログでアウトプットすることで、私は自分のアイデンティティーをナラティブに構成し、キャリアコンサルタントを目指す人や、働くこと・生きることに難しさを感じている人の役に立っていければと思っています。

大切なのは決めたルールを守ることではなく、継続していくためにルールを変え続けることなのかもしれません。

決めたルールを守ることが最も大切だったら、キャリアグリーンは終わってしまっていたかもしれません。でも私はルールを変えることができました。だからこうして、また皆さんにむけて、マクドナルドからこの文章を届けることができているのです。

だから生きることを続けていくためには、いかに決めたルールを遵守するかではなく、いかにその状況に応じて最高のルールを構築していけるかが重要なのではないでしょうか。

もちろん「人生哲学」みたいなものは、大切だったりするんですけどね。(しかし、得てしてカウンセリングに来る方は、この”人生哲学”が今の人生にフィットしなくなって悩むのですけど。)

さて、キャリアコンサルタント試験が11月に迫る中で、キャリアグリーンの試験対策関連への申込みも、その数をじょじょに増やしています。

勉強の方法はそれぞれの人に合ったやり方があるでしょう。本来であれば、自分の好きなやり方で、試験に向けてそれぞれ頑張っていけば十分だと思います。

キャリアコンサルタントの試験は一般的な資格試験と比較しても、それほど難易度が高いものではありません。

難関試験のように頭が良い人でなければ合格できない類のものではないのです。ちゃんと勉強した人が、ちゃんと合格する試験になっています。

それでも「試験に向けて不安だ」という受験生の声は多く聞かれます。これはなぜなのでしょうか?

同じような勉強をしていても、不安になる人とそうでない人がいる。この違いから私たちはどんなことを学べるでしょうか?

この手の不安は「将来に対する不安」と呼ぶことができます。誰も将来のことはわかりません。次のキャリアコンサルタント試験で誰が合格するかを今から知っている人は、ただの1人も存在していません。

将来が不確定であることは、誰にとっても等しい条件ですが、そこへ対する反応は人によってさまざま違いがあります。

不安であると言う人の多くは、不安にとらわれているので、「将来は誰もが等しく不確定である」という前提条件に気づくことができません。そしてそんな自分の状態にOKを出すことができないでいるのです。

つまり「なぜ、自分は不安なのだろうか。どうしてこんなことになってしまうのか。どうしたらこの不安から解放されるのか。」といったことを考え続けてしますのです。

ただここまで読んでくださった聡明な読者諸兄であれば、この問いの前提そのものが、さしたる意味を持たないことにはお気づきでしょう。

ではこうしたクライエントに対して、カウンセラーはどのように関わっていくことができるでしょうか?

まず第一に、不安に対処する最初にステップは「なぜ、不安になってしまうか」を考えることではありません。

原因を究明してそれに対処しようというのは、あくまでビジネスで有効な手段です。もしもそのような合理性を用いてカウンセリングをしようとすれば、たちまちにクライエントに対して非合理性をつきつけるだけの展開になってしまいます。

不安に対処する最初にステップは「クライエントが抱える不安とはなにか」について、見つめることがスタートとなります。

つまり「不安」というものがその人にとってどのように作用しているのか、精神的・肉体的にどう働いているのか、を見つめていきます。

生きている人間は、大なり小なり不安を抱えているものです。ただその不安がクライエントにとって耐え難いものであるならば、それはどのようなものなのかを共有する必要があります。

このアプローチはクライエントの問題を「外在化」していくのにも役に立ちます。クライエントが自分の不安に対する作用について、自らで語ることにより、その問題を客観的に見ることが(少し)できるようになるのです。

あるいはその過程で不安にとらわれる前の自分はどうであったかを思い出すきっかけにもなるかもしれません。こうすることで、クライエントは「不安」との距離を少し取ることができます。

キャリアコンサルタントの実技試験で、「問題解決してしまう」とか「展開を急いでしまう」という方は、ぜひ上記のような点を参考にしてみてください。

大切なのは「Why」ではなく「What」を積み重ねていくことです。キャリコン実技試験の15分であれば、これができれば十分合格できるでしょう。

これを続けることでクライエントは自分で勝手にWhyを問いかけ、自分で解決していくことができます。

その効果はまさに「今、どうして自分はこんなことを言ったのか」という自問であるとか、「話していて気づいたんですけど…」という会話の中に見出すことができるのです。

こうした言語的な積み重ねをもっと発展的にアプローチとして取り入れているのが「ナラティブ・アプローチ」であり「ナラティブ・キャリアカウンセリング」です。

文字だけでは伝わりづらいところもあるので、今後はオンライン講座などでも伝えていければと思っています。
少し長くなりましたが、ここまでお読みいただきありがとうございました。なにか発見がありましたら、幸いです。ではまた。