キャリコン試験突破の秘訣:『踏みとどまる』とは!

 こんにちは、キャリアグリーンの田嶋です。
お待たせしました!!

ホルダー高木さんの、キャリアグリーン宛て寄稿第2弾!

 内容は受験生だけでなく私たち有資格者にとっても勉強になるので、是非皆さん読んでくださいね!

ちなみに1本目はこちら!

 では早速どうぞ〜!

ラポールを深めていく

「具体的にお話いただけますか?」

クライエントさんが、問い返しに答えてくれたことに応え、カウンセラーは、

「そうですか、よろしければそのことを、少し具体的にお話いただけますでしょうか?」

と返します。この問いかけにも、意識的な配慮が必要かと思います。

上の文は一例ですがまず、
「そうですか」と、相手の感情を受容する言葉を使い、
「よろしければ」と、相手の気持ちを配慮する言葉で相手を尊重する姿勢を表します。

そして、
「そのことを」と、

「この後は、あなたの「つらい」などの感情そのものではなく、その感情の原因となったと思われる出来事を聞きたいというカウンセラーの意思を示し、「少し」

で、「初対面の人に対して、洗いざらい話すことを強いるつもりはありません」と、相手を尊重・大事に思っているという姿勢を再度示し、
「具体的に」と、出来事に使う形容詞を使い、再度出来事を聞きたい意思を伝え、「お話いただけますでしょうか?」

と、へりくだって相手を尊重する言葉を三度示しました。

この場面の問いかけは、あらかじめ自分が腑に落ちる言葉づかいで、吟味したうえで作成したものを、用意しておいたほうがいいと思います。

面談においては、この言葉までは、クライエントのタイミングで使えますが、この後からは、臨機応変の対応となります。
最初に少しでもラポールを深めておきたいために、そう思います。

踏みとどまる

間を開ける

また、この場面では、このあとの面談において、クライエントさんがゆったりと自分の気持ちを深く考えられるように、タイミングとペースの調整を行えると思います。

ここでは、タイミングとは「ひと間空ける」ということと考えてください。

つまり、クライエントさんの言葉の後にかぶせるように「そうですか」と話さず、ひと間空ける、ワンテンポ余裕をおいて「そうですか」と、言葉を返してあげてください。

これは、間を取ることで、クライエントさんに、考える余裕を差し上げることが目的です。

人に話すということは、口から言葉を出して、人に物事や考え、感情を伝えることです。

しかし、口から言葉を出すということは、同時に自分の耳で自分の言葉を聞くことになります。
自分の説明や判断や感情を、自分の口から出た声を、自分の耳で聞くのです。

人間の頭の中は、いろいろな知識や感情が絡まりあっています。

「いや、自分の頭の中は整理されている」と思う人もいるかもしれませんが、人の頭の中は整理されているようで、案外整理されていないのではないかと思います。

そこで、頭の中でずっと考えていても、案外堂々巡りをしたりすることも多いと思います。

そんな時、人は一度考えを外に出して整理します。

メモを書いたりして文字化をする人も多いですが、それより、他人に話すことで”ことば化”する人のほうが多いと思います。
ちなみに、ひとり言も”ことば化”の一種だと思います。

整理といえば、「片付けの魔法」的な本の中では、洋服ダンスの整理のコツは、まずタンスの中に入っている洋服を全部出して、「見える化」することが大事とよく書いてあります。

また、テレビなどの荷物の多すぎる家の片付け企画などでも、家の中の家具や寝具などを、近くの体育館などに運び、すべて「一望化」して、そこで、家族に要る要らないを判断してもらいます。
見ているとこれも顕著な効果を感じます。

”文字化”も、”ことば化”も、「見える化」も「一望化」も、本質は同じだと思います。

つまりは「潜在化」から「顕在化」です。

狭いところで絡まりあい潜み合っているものを、大きな社会的空間にすべて出してしまう、つまり顕在化したうえで、分類・分別を行うと、何事もスッキリ片付きやすいということです。

これは、物事においても、気持ちにおいても、整理する時の人間の習性だと思います。

面談において、第一声をクライエントさんが話したあとのクライエントさんの心中を鑑みると、
多くは「今日はこのことを相談しようと心では考えていたが、いざ口に出すとやはりつらい(または悲しい、腹立たしいなど)問題だな」となると思います。

これはまさに言葉によって問題が社会に顕在化したという状態です。

次に、カウンセラーが第一声を正しく問い返すと、同じくクライエントさんの心中は「ああ、ついに外にこのことに出てしまった。」となるかと思います。

そして次には「他人の口からきいてもやはりつらい問題だわ」と考える人と、「人の口から問い返されると、ちょっとニュアンスが違うのでは」という人が出てきます。

カウンセラーという外の社会が問題を顕在化され社会的に公になると、
「いよいよこの問題に直面する時が来たかも」と緊張する人と、
「時が来た」と思いつつ、なにかしっくりこない人がいます。

このあとの、クライエントさんの返事は、「やはりつらい」人は、「そうなんです、それでつらいんです」となり、
「ニュアンスがちょっと違う」の人は、「まあだいたいどういうことです。それでつらいんです。」となります。

社会に対し、改めて問題を再顕在化させます。

このように、第一声のあと、カウンセラーが問い返したあと、その問いかえしに返事をしたあと、都合3回、クライエントさんには、早くも問題を顕在化したために、自己省察の機会が訪れます。

この3回の中で、第一声のあとと、問い返しに返事をしてくれたあと、この2回は、カウンセラーが自由に間を作れます。

ぜひひと間を開け、少しでもクライエントさんに考える余裕を、間をお贈りしましょう。

「ちょっと違う」と思った人には、なおさらです。

ペーシングとは

ペーシングとは、ことばの速さと調子です。
クライエントさんの気持ちに合わせるためには、第一声でクライエントさんの話のテンポをつかみ、それになるべく合わせて話すことをお勧めします。

しかしこれは、気にしすぎないほうがいいと思います。
本来の自分の話のペースとかけ離れた場合、ペースを合わせることに気を取られると、クライエントさんの話をしっかり聞くという一番大事なことがおろそかになり、本末転倒だからです。

また、相手の話をしっかり聞けていて、
心の底に「自分はしゃべっていると話のテンポが早くなる(または遅くなる)」という意識がありさえすれば、多少話が早かろうが遅かろうが、クライエントさんには全然普通に聞こえることがほとんどです。

しかしどうしても気になる人に対してのアドバイスとしては、
まず、いつも早口だと思っている人は、話すときに、一文一文の間に少しだけ区切りをいれるのがいいと思います。

そして話のペースがゆっくりだと思っている人は、話の量を少し短くする。
話が遅いということと、話が長いということを混同している人は割と多いです。

おわりに

またまた田嶋です。

如何だったでしょうか。2回に渡ってお送りしました、「キャリコン試験突破の秘訣」でしたが、私たち資格者にも十分勉強になる内容だったと思います。

受験生は学科試験までいよいよ2週間ですね。

学科のあとの論述から実技が始まりますね!

キャリアグリーンでは、個別指導を行っておりますので、最後の仕上げに是非ご利用くださいませー!

ではでは、長くなりました!またお会いしましょーーーー!!