キャリコン試験突破の秘訣2:『動詞を聞き逃さない』

 こんにちは、キャリアグリーンの田嶋です。

 今回は高木さんから頂いた寄稿の後編『動詞を聞き逃さない』をお送りいたします。

 前編をまだ読んでいない方は、こちらをまず読んでみてくださいね!

参考 キャリコン試験突破の秘訣:『第1声を大切にしよう!』キャリアグリーン

 ではどうぞ〜!

第1声の「動詞」を聞き逃さない

勉強会などでは第1声をすべて取り逃さず、それを1言1句まちがいなく問い返せという指導もあったと思います。

理想的にはその通りです。しかし練習段階で、長い第1声をすべて暗記することは大変困難です。暗記に集中してしまうと、1番大事な最後の「感情を表す動詞」を聞き逃してしまいます。

面談ではクライエントの感情をとらえ、その感情の奥に潜むニーズ、つまり

「世間の価値観やそこからくるこだわりから離れ、本当に自分が望んでいること」

をクライエントが追及する支援をする姿勢が望まれます。

英語は主語が最初に来て、その次すぐ動詞が来るのに対し、日本語は文章の最後に動詞が来ます。

語尾の動詞、特に感情を表す動詞、例えば
「悩んでいる」「迷っている」「困っている」「つらく思っている」などは、1番のキーワードです。

面談というのは、第1声の文章の中の「感情を表す動詞」を聞いていくだけでいいとさえ私は思います。 

逆に「感情を表す動詞」を聞き逃してしまうと、ラポールの形成も難しく、最初からたいへん苦しい展開になってしまいます。

第1声への問い返し方

「最初の問い返し」はどれだけクライエントが長く第1声を話しても、

「そうですか、〇〇について悩んで (又は迷って、困って、つらく思って)いらっしゃるんですね。」だけで充分だと思います。

ただしここでは、〇〇に入る言葉と、特に動詞は1言1句間違えないようにお願いしたいと思います。

クライエント役をやった時に、例えば第1声で「仕事のことで苦しんでいます」と言ったのに、「そうですか、ご勤務のことで悩んでいるんですね」などと返されると、かなり違和感があった人も多いのではないでしょうか。

相手に考えてもらうのが面談の主眼です。そのために相手が使っている言葉で話すのは当然だと思います。

相談者の自己概念を表象する

第1声に含まれる「感情を表す動詞」こそ面談の主役であり、中核だと思います。 ここを絶対に聞き逃さないことが大切だと私は考えています。

そこから先は、その感情の裏にある「こだわり(自己概念)を表象(シンボル)する 」姿勢が求められます。

クライアントは「〇〇すべき」「普通は、社会は、みんなは、〇〇している」という、こだわり(自己概念)にとらわれています。

カウンセラーはそういったクライエントを苦しめる自己概念を表彰するような関わりをしていきます。

そうすることでクライアントは「そうか、そうだったのだ!」と、腑に落ちる「気づき・発見」を得るのです。

つまり、これはクライエントの中にあるこだわり(自己概念)が成長しているということです。

言うなれば「〇〇するに越したことはないが、実はそうでなくても問題がない」というものの見方の変化と捉えられるかもしれません。

この変化によって視野が広くなり、世界を広く寛容な視点でみることができるようになるのです。

その後、カウンセラーはクライエントが自己実現の道を歩む手助けをする役割を担っていきます。

まず面談突破のためには、話の中に現れるクライエントの自己概念(とらわれ)の影を聞き逃さないようにしましょう。

そのために動詞に注目する視点は、とても役に立つと思います。

面談はクライエントに話してもらうことにより、クライエントさん自身に考えてもらうことが全てです。

カウンセラーはそのお手伝い・支援をするだけの存在であることは、忘れないようにしてくださいね。

おわりに

 ひょっこりまた田嶋です。いかがだったでしょうか。

 前編・後編を通して、試験突破だけでなく、キャリアコンサルタントとして大切な姿勢を教えてくださいました。高木さんありがとうございます!

 では、みなさんまたお会いしましょ~!