キャリアカウンセリングをめぐる冒険その13

今日は連休の中日ですが、息子は小学校へ行ったので私もブログを書いて仕事へ行きます。休みの会社も多いので仕事はあまりないんですけどね。

この3日間は息子とゲームをしたり、昼寝をしたり、銭湯へ行ったり、とにかくのんびり過ごしました。エネルギーも充電されたので、休みの後半は少しアクティブに過ごしたいと思います。

クライエントを、人間をどう見るか

インテグラル理論について書く前に、いくつかの助走的な文章を残しておきたいと思います。キャリアコンサルティングの学びの中では、いくつかの心理・組織発達に関する代表的な理論を習います。(エリクソンとかシャインとか)

そうしたことをなぜ学ぶのか、というのは勉強していた時はあまり意識していなかったんですけど、いざカウンセリングの場面になると、それがいかに大切なことかを思い知りました。

もちろん、理論でカウンセリングがどのように進むかが決まるわけではないのですが、カウンセラー側の根っこの部分、ざっくりいえば「人間観」という部分に、この心理発達の理論が大きく関係してきます。

それはつまり「あなたは人間をどのように理解しているか」という問いへの答えになります。

心理発達についての学びがなければ、この問いへの答えは浅く平坦なものになるでしょう。自分の周りにいる人のパターンでしか、相手を理解できません。それは今まで会ったことがないパターンの人に、対処ができないことを意味します。私は人間の心に学ぶにつれ、そこに様々な普遍性と多様性、そして不思議さを見つけてきました。その教えの1つがインテグラル理論です。

なので私はクライエントさんと接する際に、クライエントさんを自分の知っている人物パターンにはめ込まずにすんでいます。 人間理解のパターン化はクライエントさんへの接し方のパターン化、カウンセリングのパターン化を生み出します。(もちろん、何十年と経験を積めばそうしたパターンもある程度の精度を得られるとも思います)

キャリアカウンセリングのさまざまな場面ではカウンセラー側の「人間観」が展開に影響を及ぼします。例えば「次々に職を変えている人」はどうでしょうか。

人によっては「我慢強さや信念が足りない」と思うでしょうし、「変化に柔軟で次々に挑戦している」と思うかもしれません。こうした「良い」「悪い」のジャッジがカウンセラーの中で勝手に起きてしまうと、「こうしてあげなきゃ」といった身勝手な展開がカウンセリングの中で生まれてしまいます。

私の考えの中ではクライエントさんについて、「問題点」や「不足」を見つけていくことも、「良い」「悪い」をジャッジしていることと、あまり変わりがないと思っています。(この点はいろいろあるでしょうが、考え方の1つとして捉えてください。)

仕事で悩む人が持っているのは「問題」や「不足」なのでしょうか。私はあまりそう思わないので、ナラティブ・アプローチの言う「人が問題ではない。問題が問題である。」というスタンスをとても気に入っています。

クライエントを要素に分けて問題や不足を見つけようとするのではなく、まだ自分らしさと再会できていないというのが、今の私のクライエントに対する人間観です。それは問題によって引き起こされたのではなく、成長への過程だと私は思っています。

今後はこうした考えを身につけるに至った部分を、少しずつ紹介できればと思います。時間なので今日はここまで。